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 遮音測定とは、室間及び、室内、室外間、窓・扉などの部位ごとの空気伝播音の遮断性能の測定です。音が人間の耳に伝わる経路は、空気伝播音と固体伝播音に分けられます。空気伝播音とは、発生音が空気を振動させ伝わる音で、固体伝播音とは、床・壁などに衝撃・振動が加えられ、それが伝って音として放射されるものです。
 マンション・ホテルなどの性能確認、騒音対策などの調査に遮音性能の測定は必要とされています。当社では、正確且つ迅速な測定、分析、報告書の作成で、お客様に対応いたします。

1.遮音測定方法

 JIS A1417「建築物の空気遮断性能の測定」に準じておこないます。図-1のように音源室でスピーカより試験音ノイズを発生させ、騒音計を用いて音源室・受音室それぞれ複数点測定します。測定結果から、音源室側・受音室側それぞれのエネルギー平均値の差を算出し、室間における空気音の遮音性能を求めます。また、窓・扉などの部位ごとの遮音性能は、「特定場所間の音圧レベル差」という測定方法で測定いたします。


遮音測定概念図

図-1 遮音測定概念図


遮音測定ブロック図

図-2 遮音測定ブロック図

2.遮音測定評価方法

 図-3のようなJIS A 1419-1(2000)「建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法ー第一部:遮断性能」に示される空気遮断性能を評価するための基準曲線の周波数特性と等級を用いて評価します。各周波数における測定値をプロットし、結んだ曲線に対して、等級曲線を全て上回る一番高い等級曲線をその等級と読みます。(各周波数最大2dB許容)図-3で示した例では、Dr-40となります。
 また、ここで読んだ遮音性能Dr値を表-1、2のような評価表(日本建築学会推奨基準)を用いて評価します。また、表-3は、この遮音等級が一般にどのような感覚なのかを示した表です。


遮音測定D値
     図-3 空気遮断性能


表ー1 室間音圧レベル差に関する適用

建築物 室用途 部位 適用等級
特級 1級 2級 3級
集合住宅 居室 隣戸間界壁
隣戸間界床
D-55 D-50 D-45 D-40
ホテル 客室 隣戸間界壁
隣戸間界床
D-55 D-50 D-45 D-40
事務所 業務上プライバシー
を要求される室
室間仕切壁
テナント間界壁
D-50 D-45 D-40 D-35
学校 普通教室 室間仕切壁 D-45 D-40 D-35 D-30
病院 病室(個室) 室間仕切壁 D-50 D-45 D-40 D-35
「建築物の遮音性能基準と設計指針」日本建築学会より

表ー2 等級の意味

適用等級 遮音性能の水準 性能水準の説明
特 級 遮音性能上とくにすぐれている 特別に高い性能が要求された場合の性能水準
1 級 遮音性能上すぐれている 建築学会が推奨する好ましい性能水準
2 級 遮音性能上標準的である 一般的な性能水準
3 級 遮音性能上やや劣る やむを得ない場合に許容される性能水準
「建築物の遮音性能基準と設計指針」日本建築学会より

表ー3 遮音等級と生活実感

遮音等級 D-60 D-50 D-40 D-30 D-20 備 考
ピアノ,ステレオなどの大きい音 ・ほとんど
聞こえない
・小さく聞こえる ・曲がはっきりわかる ・大変よく聞こえる ・かなりうるさい 音源から1mで90dBA前後を想定
テレビ,ラジオ,会話などの一般の発生音 ・聞こえない ・ほとんど聞こえない ・小さく聞こえる ・話の内容がわかる ・よく聞こえる 音源から1mで75dBA前後を想定
生活実感,プライバシーの確保 ・カラオケパーティーなどを行っても問題ない
*機器類の防振が必要
・日常生活で気兼ねなく生活できる
・隣戸をほとんど意識しない
・隣戸の生活がある程度わかる ・隣戸の生活行為がよくわかる ・行動がすべてわかる ・生活行為、気配での例
「建築物の遮音性能基準と設計指針」日本建築学会より